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知っておきたい “ちょっと賢い私道持分売買の知識”

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気象庁から「梅雨入り宣言」が発表され、ずっと晴れや曇りの天気が続いていましたが、やっと雨が降り、草花たちもホッと一息ついているようです。

植物たちも雨を浴びて生き生きとしているようですね。

さて、先日、弊社クライアント:A様から、

A様
「隣の駐車場の所有者:B さんから、私道を売ってほしいという話があった。」
「Bさんには上場ハウスメーカー系仲介会社が入っているようだ。」
「私道って売れるんですか !?」

(^_^)v
「もちろん、私道も当然、それなりの評価方法で売却出来ますよ」

A様
「そうなんですか、それではお任せ致しますので先方の担当者さんと話しをしてください。」

黄色が対象の私道(位置指定道路)ピンク色がB様所有の駐車場

この一帯は大地主のA 様ご親族が土地を所有し、私道を設けて借地人に「土地賃貸借」をして住宅地として発展してきたエリアである。従って、A様や、A様のご親族:A´様が私道を保有しているケースが多く見られます。又、E様のように借地人に底地を売却する際に私道持分を売却している場合もある。

今回の場合は、駐車場の所有者のB様が、駐車場を売却するにあたり、A様から私道持分を購入したいとの話であった。

A様の私道

地目:宅地
地積:129.28m2
私道所有者:A様 12/16
私道所有者:E様 4/16

B様の駐車場

地目:宅地
地積:384.90m2

公法制限

  • 第一種中高層住居専用地域
  • 建蔽率:60%
  • 容積率:200%
  • 準防火地域
  • 第二種高度地区

という都市計画地域内である。

B 様の担当者さんと面談すると、「以前、A様がE様にご売却している持分と同様に、私道持分4/16だけを売って欲しい。」との事でした。

ご存知の通り、私道には様々な権利があります。

今回の場合は、

  • 私道の通行権
  • 上水道管、下水道管、ガス管などインフラ設備の埋設管の引き込み承諾・掘削工事承諾

等々の民法上の問題点が大きなポイントになります。

つまり、私道持分のないBさんは、この私道を利用したくても利用できません。
それに加え、都市計画法により、敷地面積の最低限度が定められており、この用途地域では、敷地を分割する際に、1区画の面積が60m2以下には分割できないように規制されている地域です。

A様が私道持分を売却しなかった場合

Bさんの駐車場を購入した業者さんは、4区画の事業計画となる。

A様が私道持分を売却した場合

Bさんの駐車場を購入した業者さんは、6区画の事業計画が成り立ち売上げも利益も増加する。

Bさんからは、私道持分4/16だけを譲って欲しいという申し入れであったが、上記の通り、都市計画法の敷地面積の最低限度を説明主張して私道持分8/16の売買契約が締結され、残金決済が無事終了しました。

私道持分について

私道持分の大小に関係なく、私道持分さえ持っていれば良い、という考え方もありますが、持分1/16の人と、4/16の人が出てくることになります。B様の駐車場を購入する業者さんが、土地を六分割する場合、この私道を利用する区画数は、四区画ですから、2/16の私道持分になります。E様や、A様の借地人:T様が将来、土地を売却する際、二分割出来る地積ですので、それぞれ2/16の私道持分になります。

周囲の私道持分負担者とのバランス、状況を鑑みて、今回は私道持分8/16の割合が将来にわたり、宅地分割された際にも私道持分利害関係者の間で諸問題、遺恨を残さない取引方法だと考え、A様、B様のご理解を頂きました。

私道を売って欲しいという購入希望者には、必ず、それなりの理由があります。
売却した後に、相手がその私道持分の権利をどのように活用するのか、しっかりと確認する必要があります。
私道には公共性もありますからね。
私道には様々な権利や義務がありますから、しっかりと調査してから取引したいものです。

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