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投資形態の特徴と比較、サブリースの注意事項

不動産投資には、収益不動産を購入して家賃収入を得る直接投資とオフィスビルや商業施設等の投資用不動産に投資しているJリート、信託、ファンド等を購入する間接投資があります。
収益不動産を購入しないで、借上げて転貸(サブリース)する方法もあります。サブリースの成功事例と失敗事例から見る注意事項とは・・・?

投資形態の特徴と比較

直接投資 [収益不動産投資物件]
種類 ワンルームマンション
ファミリーマンション
一棟売アパート・マンション
一棟売オフィス・ソシアルビル
その他
投資方法と収入 収益不動産物件を単独で購入、直接オーナーとなって、毎月・毎月の安定した家賃収入を得る。
毎月・毎月の家賃が収入
投資判断 自分自身で収益不動産物件を見て、立地条件建物グレード、利回り、将来性等々を考慮して物件を選定し、自己判断で購入する。
購入方法 不動産会社を通じて購入する。
購入不動産を担保にして「ローン借入れ」で売買代金の支払いができる。
購入物件代金の全額と諸費用を負担する。
保有している時の収入 毎月の家賃収入から管理会社へ管理料を支払う。
表面利回り5%~10%くらい
保有している時の税負担 保有物件土地建物の固定資産税、都市計画税を負担する。
保有している時の節税効果 建物の原価償却分を毎年度、総合収入へ損益計上できる。
相続した時の節税効果 相続発生時の年度の税務署の固定資産税評価額の額面が相続対象となる。
ローン借入残債額はその額面のまま負債として計上できる。
節税効果が大きい。
売却方法 売却するには、登記識別情報(旧=権利証)、印鑑証明書、その他の書類が必要になる。
換金する所要日数が長い。
不動産会社等を通して売却する。
売却収入 時価相場で売却でき、所得税、必要経費を差引後、不動産譲渡所得となる。
間接投資 [Jリート・不動産投資・ファンド商品等]
種類 上場リート商品(40数社)
不動産投資信託商品
不動産ファンド商品
その他
投資方法と収入 分配金が収入
複数の収益物件を保有するオーナー会社が多数の小口化証券で、多数の間接共同出資者を募集し、分配金を配当する。
投資判断 収益不動産物件への投資判断はオーナー会社のトレーダーが行なう。一般投資家はそれぞれの銘柄を選定し、小口化証券を購入する。
購入方法 証券会社、銀行口座等を通して購入する。
購入代金は「オールキャッシュ」で支払う。
小額で購入できる。
保有している時の収入 リート商品/年2回の分配金
不動産投資ファンド/毎月の家賃収入より、オーナー会社の諸費用を差引き後約3~4%位の分配金
小額で購入できる。
保有している時の税負担 固定資産税、都市計画税を必要経費として間接的に支払う。
保有している時の節税効果 投資額全額の評価で節税効果は少ない。値下がりした時のみ、評価損が計上できる。
相続した時の節税効果 相続発生時の時価相場額となり、額面がそのまま現金・有価証券として課税される。
節税効果が小さい。
売却方法 売却はスピーディで簡単。
換金する所要日数が短い。
証券会社・銀行窓口等を通して売却する。
売却収入 時価相場で売却でき、所得費、必要経費を差引き後、株式等の譲渡所得税の金額となる。

不動産購入投資と不動産借上投資

不動産投資にはそれなりの手持ち資金が必要となりますが、収益不動産を「購入」しないで 「借り上げ」てサブリースする方法もあります。この場合、土地・建物の所有者にサブリースすることへの承諾を得ることが前提条件となります。 また、当然のことですが敷金・保証金等を多く支払っても毎月の賃料を値下げしてもらい、借り上げ賃料以上でサブリースすることが必須条件となります。

比較項目 購入 借り上げ
資金内訳

手持ち資金+ローン借入

手持ち資金

公租公課・税金

不動産取得税、固定資産税・都市計画税、所得税

所得税

メンテナンス

修理代の負担

建物躯体所有者負担(設備・造作は負担する)

光熱費

なし

借主、テナント負担

空室リスク

あり

あり

キャピタルゲイン

あり

なし

インカムゲイン

あり

あり

専門的知識

必要(初級程度)

必要(中・上級)(コネ・人脈)

数年で投資を見切る場合

売却できる ローン債務が残る場合もある

解約手続き 残債務はなし

借り上げサブリース

借り上げサブリースの成功事例

不動産投資は目的物件を購入しなくても「借上げ」で成功している投資法人、不動産会社、個人投資家等が多数いるのも事実です。また、保有する不動産を空室リスクや煩雑な管理業務から解放されたいと考えてサブリース運営会社に一括賃貸する不動産オーナーも多数おります。
サブリースは、相場の賃料から運営諸経費やサブリース会社の利益分を差し引いた賃料が不動産オーナーの賃料収入となります。多少、市場の相場賃料より家賃収入が低くても、「賃貸募集」「管理業務」「クレーム処理」といった煩雑な業務からの解放がメリットとも言えます。

  • コインパーキング
  • トランクルーム
  • コンテナ倉庫
  • 屋外、屋上広告塔など
  • ロードサイド広告、案内板など
  • 予備校の学生寮(地方から上京する予備校生)「シェアハウスなど」
  • 日本語学校の学生寮(外国からの留学生相手)「ゲストハウスなど」
  • 飲食店などの設備、造作のついている店舗

借り上げサブリースの失敗事例

賃貸住宅市場の供給過多に加え、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」運営会社のスマートデイズの破綻と、スルガ銀行の不適切な過剰融資、シェアハウス「かぼちゃの馬車」を購入した初心者の不動産投資家の自己破産、これは大きな社会問題となりました。
不動産オーナーの借上げサブリースによる家賃保証への甘い考え方が誤解と失敗を招き不動産オーナーと、住宅メーカー、建設会社、不動産会社等のサブリース契約にはトラブルも数多く国土交通省もサブリース契約の実態調査に乗り出し、将来的には「賃貸住宅管理業者登録」を義務化するようです。

トラブルの多いサブリース契約には、借上げサブリース会社の説明不足と不動産オーナーの理解度の低さに起因するようです。
サブリース契約が付帯条件とされている場合、

  • 定期的な賃料の見直し時期の説明
  • 「家賃保証」の家賃を減額するときの説明
  • 「家賃保証」とあっても空室時の入居者募集時の賃料支払免責期間の説明
  • 「30年一括借上げ」であってもサブリース業者から解約される場合の説明
  • サブリース運営会社は “賃貸住宅管理業者登録” をしているか

上記の内容がサブリース契約締結前の「重要事項説明書」で、「賃貸住宅経営管理士」からキチンと説明されるようになっております。サブリース契約の内容をしっかりとチェックしてから投資判断の結論を出したほうがよいでしょう。