朝晩の冷え込みは厳しいですが、日中は日差しの温もりを感じますね。
もう、すぐ節分
春よ来い、早~く来い・・・
春が待ち遠しいですね。
さて、かねてより懸念されている新設貸家の着工件数が42万戸と、8年ぶりの高水準のようです。
相続税の節税を目的にしたアパート建設が全国的に広がり、今や、新設貸家バブルのようですね。
国土交通省が1月中に発表する2016年の新設住宅着工戸数、2年連続の上昇で、貸家が前年比1割増の42万戸の見込みだそうだ。
一方、総務省が発表した、平成29年1月1日現在の人口
≪総人口≫1億2,686万人で前年同日に比べ減少▲17万人(▲0.13%)
1920年から右肩上がりで伸びてきた日本の人口も、この5年間で約95万人も人口減少しているようです。
日本の人口を都道府県別にみると、
- 東京:1,351万人
- 神奈川県:905万人
- 大阪府:887万人
となり、人口の東京圏への一極集中はさらに進み、東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県では、日本の人口の4分の1、約3,600万人が集中している。
日本の人口は、
- 明治維新からの140年で人口は4倍
- 昭和の始まりから75年間で2倍
- 人口規模は今がピーク
- 今後100年で昭和初期の水準に戻る予測(人口半減)
又、総人口が減少する中で、高齢化率は確実に上昇している。
高齢者人口は「団塊の世代」(S.22~24年生まれ)が65歳以上となる、2015年に3,392万人となり、その後も増加し、2042年に3,878万人でピークを迎え、その後は減少に転じるが高齢化率は上昇すると推計される。
10年後、20年後、30年後の人口推計からも解かるように、単身者向け賃貸住宅を建設するより、シルバー系高齢者介護住宅を建設するほうが、各種助成金等もあり、はるかに有利ですよね。
遊休地とご予算のある方は、ハウスメーカーの口車に乗らないで、シルバー系介護住宅を建設する方が、堅実な賃貸経営と言えるでしょう。
そして、次に忘れてはならないのが、増加し続ける空き家問題です。
総務省統計局が発表している、平成25年住宅・土地統計調査をみると、平成5年には448万戸だった空き家が、平成25年で820万戸と、20年間で1.8倍になっているという現実があります。
賃貸用等空き家の446万戸について、所有の種類別にみると、
- 民営の空き家360万戸 81%
- 民営以外(公営、公社等)72万戸 16%
このデータを見ても圧倒的に民営賃貸住宅の空き家が多いのが一目瞭然と分かりますよね。
この度の節税対策目的による新設貸家着工ブームは地方でも伸びているようですが、都道府県別の民営賃貸住宅の空き家の割合は、
以上のような空き家状況です。
新設アパート建築ブームの背景には相続税の節税対策として、
- 更地にしておくより貸家建付地の評価減がある
- 2013年相続税改正で基礎控除が引き下げられたため、節税対策として借入金でアパートを新築する
- 史上初のマイナス金利政策から、各金融機関はアパートローンの金利を下げて過剰な融資をしている傾向も見受けられる
このような時代背景から、賃貸住宅新設バブルとなっていますが、賃貸住宅には「立地条件」が最も重要です。
総人口の減少が目立ちはじめ、空き家の増加が顕著な現在、自分の相続税額を算出して、アパート建設費用、各リスク分析、節税効果の費用対効果をしっかりと試算してから、実行に移したいですね。